安倍サンは、地味だから今の局面に最適なのだ。
ガンに侵され、合併症で死にそうな日本に、白い巨塔のしがらみを壊して、根治療法を宣言し、果敢に大手術を行った小泉サン。
だが、その治療は未だ道半ばだ。ICU(集中治療室)から一般病棟に移るかどうかの局面に過ぎず、しかも荒療治の副作用で体の隅々にダメージが残っている。だが、一命をとりとめた。
その治療方針を引き継ぐには、極めてデリケートで地道な対応が求められる。リハビリには、骨太な方針と根気強い努力が必要だ。
ミーハーな浅知恵は治療の邪魔だ。とにかく小泉サンが敷いた治療方針を、地味でも着実に進めるのが最善だ。だから、安倍サンは小泉サンが道筋をつけてくれた治療方針を守って、完治に向けて粛々と作業を進めるハズだ。それを小泉サンと安倍サンが、お互いに了解していて、信じられるからこそ、小泉サンは安倍サンに引き継がれるように立ち回ったのだと思う。
安倍サンを評して、「小泉サンと違って地味だ」、「挙党体勢重視では、旧い自民党に戻ってしまう」などと指摘するのは、ナンセンスだ。今すぐ、着実に地道な治療を進めて行くためには、内輪モメしている場合じゃない。先ずは挙党体勢が最も重要なのだ。
小泉サンは、自分に出来ない局面になったから、自ら退いたのだ。だから、安倍サンは、当然これからの局面に向いた方法で進めるべきだし、オレが言うまでもなく、安倍サンは黙ってそうしている。安倍サンは、表面的には若さと華やかさのイメージでミーハーなオバさん達の人気を集めているのかも知れないが、おそらく、安倍サンのやる事は地味で着実な対応になるだろうし、それが今の局面には最も適しているのだ。目先の人気取りで派手で軽薄な対応をしない限り、オレは安倍サンの自民党を支持して行く。
いま「ガラガラポン!」とばかりに、小泉サンに向う意地を張って、目先の異なる事を始めてしまったら、とんでもないことになる。治療は最後まで一貫性を持たねば、治療を長引かせるだけでなく、却って患者を死に追いやってしまう。だから、日本が完治するまで、オレは民主党の支持を考える気にならない。
ただ、あまりに地味だとミーハーな国民の支持は得られないし、今の支持を維持できない。
目前の参院選を勝たないと安倍政権が終わってしまうし、小泉改革が停滞して混迷する。
安倍サンの参院選の勝ち方は、「風を吹かせないこと」に尽きる。
「風」は、勧善懲悪のドラマが起こると吹いて来る。すなわち、誰もが分かる悪役を仕立て上げて、そいつらをやっつける…というシナリオだ。小泉サンが選挙の度にそうやって成功した手法だが、今の局面だと安倍サンに吹く風は逆風しか有り得ない。
というのも、与野党に関わらず郵政民営化に反対する勢力を全てやっつけて、自民党内の抵抗勢力も既に追い出した。構造改革における今後の悪役は官僚で、選挙の材料に使えない。野党を悪役にしたくても、与党と野党の勢力格差がついているから、これ以上に弱者の野党を追い込み過ぎると、国民世論に判官贔屓の力学が働いて、かえって与党が悪者にされてしまう。
ちなみに民主党はボロボロだ。前原一派の自滅と、レベルの低いスキャンダルの続出、そして頼みの綱の小沢サンが体調不良で動けそうになく、死に体だ。放っておいても民主党は勝手に崩れる。
何しろ地味な局面だから、安倍さんに向かって風を吹かせる材料が無いのだ。
こういう時は、無党派層を刺激しないで無関心になってもらい、投票率が低くなる状況にさせることだ。そうすれば、組織票が勝負を決める。組織票を固めるには、小泉サンが壊してチグハグしている党内をまとめて、挙党体勢にすることが大前提。特に全国の都道府県連を立て直すことが喫緊の課題で、既にあの手この手を打っているハズだ。追い出した議員の復党も、手の一つだ。
かくして、安倍サンの人事は挙党体勢を最重視して、バランスをとったものになった。当然の対応だと思うし、とりあえず今のところ大成功を収めていると思う。
今後、安倍サンに逆風を吹かせる「最も危険な刺激」は、靖国問題だろう。
今までの安倍サンの雰囲気からすれば、参拝するハズだが、参拝しなくても安倍さんの姿勢を責めない雰囲気が醸成されつつある。「参拝したいけど、美しい国づくりのためには、その前にやるべきことがあるので、行かないことにする。」というニュアンスが通れば、安倍サンの勝ちだ。
小泉サンが安倍サンにプレゼントしたカードは、内政と外交に、それぞれ1枚ずつある。小泉サンが、安倍サンが地味に埋没することを気づかって、派手に動けるカードを残しておいてくれたのだ。
内政カードは「デフレ脱却宣言」で、外交カードは「靖国参拝見送り」だ。いずれも使い方とタイミングを誤ると「もったいない」どころか、大損失を与えかねないが、虎の子のカードを上手く使えば、安倍サンの支持を固めることになると思う。
6ヶ国協議に北朝鮮を復帰させて、核開発と拉致問題に道筋をつけるには、どうしても中国の力が必要だ。その確信が得られるという前提で、「靖国」カードを切ると思うし、その下準備を実務レベルで着々と進めているのだろう。
ただ、未だ安倍サンにはワキの甘いところがある。例えば、所信表明演説のカタカナの多さだ。若さを演出するために、ワザとやったのなら、どうしようもない。ついつい、気づかいが至らなかったのだろうと思う。しかし、こういうミスをすると、つまらぬ所で足元をすくわれて、あえなく退陣を強いられる。絶対に気をつけるべきだ。
だが、その治療は未だ道半ばだ。ICU(集中治療室)から一般病棟に移るかどうかの局面に過ぎず、しかも荒療治の副作用で体の隅々にダメージが残っている。だが、一命をとりとめた。
その治療方針を引き継ぐには、極めてデリケートで地道な対応が求められる。リハビリには、骨太な方針と根気強い努力が必要だ。
ミーハーな浅知恵は治療の邪魔だ。とにかく小泉サンが敷いた治療方針を、地味でも着実に進めるのが最善だ。だから、安倍サンは小泉サンが道筋をつけてくれた治療方針を守って、完治に向けて粛々と作業を進めるハズだ。それを小泉サンと安倍サンが、お互いに了解していて、信じられるからこそ、小泉サンは安倍サンに引き継がれるように立ち回ったのだと思う。
安倍サンを評して、「小泉サンと違って地味だ」、「挙党体勢重視では、旧い自民党に戻ってしまう」などと指摘するのは、ナンセンスだ。今すぐ、着実に地道な治療を進めて行くためには、内輪モメしている場合じゃない。先ずは挙党体勢が最も重要なのだ。
小泉サンは、自分に出来ない局面になったから、自ら退いたのだ。だから、安倍サンは、当然これからの局面に向いた方法で進めるべきだし、オレが言うまでもなく、安倍サンは黙ってそうしている。安倍サンは、表面的には若さと華やかさのイメージでミーハーなオバさん達の人気を集めているのかも知れないが、おそらく、安倍サンのやる事は地味で着実な対応になるだろうし、それが今の局面には最も適しているのだ。目先の人気取りで派手で軽薄な対応をしない限り、オレは安倍サンの自民党を支持して行く。
いま「ガラガラポン!」とばかりに、小泉サンに向う意地を張って、目先の異なる事を始めてしまったら、とんでもないことになる。治療は最後まで一貫性を持たねば、治療を長引かせるだけでなく、却って患者を死に追いやってしまう。だから、日本が完治するまで、オレは民主党の支持を考える気にならない。
ただ、あまりに地味だとミーハーな国民の支持は得られないし、今の支持を維持できない。
目前の参院選を勝たないと安倍政権が終わってしまうし、小泉改革が停滞して混迷する。
安倍サンの参院選の勝ち方は、「風を吹かせないこと」に尽きる。
「風」は、勧善懲悪のドラマが起こると吹いて来る。すなわち、誰もが分かる悪役を仕立て上げて、そいつらをやっつける…というシナリオだ。小泉サンが選挙の度にそうやって成功した手法だが、今の局面だと安倍サンに吹く風は逆風しか有り得ない。
というのも、与野党に関わらず郵政民営化に反対する勢力を全てやっつけて、自民党内の抵抗勢力も既に追い出した。構造改革における今後の悪役は官僚で、選挙の材料に使えない。野党を悪役にしたくても、与党と野党の勢力格差がついているから、これ以上に弱者の野党を追い込み過ぎると、国民世論に判官贔屓の力学が働いて、かえって与党が悪者にされてしまう。
ちなみに民主党はボロボロだ。前原一派の自滅と、レベルの低いスキャンダルの続出、そして頼みの綱の小沢サンが体調不良で動けそうになく、死に体だ。放っておいても民主党は勝手に崩れる。
何しろ地味な局面だから、安倍さんに向かって風を吹かせる材料が無いのだ。
こういう時は、無党派層を刺激しないで無関心になってもらい、投票率が低くなる状況にさせることだ。そうすれば、組織票が勝負を決める。組織票を固めるには、小泉サンが壊してチグハグしている党内をまとめて、挙党体勢にすることが大前提。特に全国の都道府県連を立て直すことが喫緊の課題で、既にあの手この手を打っているハズだ。追い出した議員の復党も、手の一つだ。
かくして、安倍サンの人事は挙党体勢を最重視して、バランスをとったものになった。当然の対応だと思うし、とりあえず今のところ大成功を収めていると思う。
今後、安倍サンに逆風を吹かせる「最も危険な刺激」は、靖国問題だろう。
今までの安倍サンの雰囲気からすれば、参拝するハズだが、参拝しなくても安倍さんの姿勢を責めない雰囲気が醸成されつつある。「参拝したいけど、美しい国づくりのためには、その前にやるべきことがあるので、行かないことにする。」というニュアンスが通れば、安倍サンの勝ちだ。
小泉サンが安倍サンにプレゼントしたカードは、内政と外交に、それぞれ1枚ずつある。小泉サンが、安倍サンが地味に埋没することを気づかって、派手に動けるカードを残しておいてくれたのだ。
内政カードは「デフレ脱却宣言」で、外交カードは「靖国参拝見送り」だ。いずれも使い方とタイミングを誤ると「もったいない」どころか、大損失を与えかねないが、虎の子のカードを上手く使えば、安倍サンの支持を固めることになると思う。
6ヶ国協議に北朝鮮を復帰させて、核開発と拉致問題に道筋をつけるには、どうしても中国の力が必要だ。その確信が得られるという前提で、「靖国」カードを切ると思うし、その下準備を実務レベルで着々と進めているのだろう。
ただ、未だ安倍サンにはワキの甘いところがある。例えば、所信表明演説のカタカナの多さだ。若さを演出するために、ワザとやったのなら、どうしようもない。ついつい、気づかいが至らなかったのだろうと思う。しかし、こういうミスをすると、つまらぬ所で足元をすくわれて、あえなく退陣を強いられる。絶対に気をつけるべきだ。
by darkmind628 | 2006-09-30 11:49