<   2006年 05月 ( 2 )   > この月の画像一覧

 

竹中サンの対談記事。

オレにとっては意義のある内容なので、備忘録として記事を残しておいた。



聞き手:マイクロソフト株式会社 執行役 常務 眞柄泰利

■ いまのマス・メディアは複雑になった政策についてこられない

眞柄 大臣は就任以来、構造改革に取り組んでいらっしゃいますが、その象徴である郵政民営化は、昨年の総選挙の歴史的な勝利を経て本格的に動き出しているのだと思います。ここまでを振り返って、大臣が最もご苦労されたのはどんな点でしょうか。

竹中 法案が成立するまでの過程で一番大変だったのは、意外に思われるかもしれませんが、国会での審議でも総選挙でもなく、昨年4月のことでした。その第1週の週末に、政府としての考え方をとりまとめたのですが、このプロセスは実にタフなものでした。

当然のことながら、この段階では政府は一枚岩でなく、私から見れば、非改革的な案も出されてきました。たとえば新会社を特殊会社にするのか、商法に基づく一般法人にするのか、または株式をどれくらい売却するのか、社員の身分をどうするのか……など、対立項目は数十にわたっていました。それらの対立を2日間の交渉で解消し、構造改革が骨抜きにならないような形にもっていかなければならなかったわけです。

眞柄 相手側もデータを整備して対案を示してきたわけですね。

竹中 対立点は本質論にかかわる問題もあれば、データで示せるものもありましたが、郵政民営化に対しては様々な見解があり、一筋縄ではいきません。いずれにしても丸2日間、激しく議論して、どうしても解決できないものだけは総理の決定を仰ぎましたが、ようやく現在の法律の骨格となるものができたわけです。
いま振り返るとこの2日間が、郵政民営化へのヤマ場だったのだと思います。

法案が成立するまでの過程で一番大変だったのは、構造改革が骨抜きにならないような形で政府としての考え方をまとめる事でした。

眞柄 大臣は総選挙後にふたたび郵政民営化担当となられて、今後は実際に民営化を実現していく責務を負っていらっしゃるわけですが、今後の流れを教えていただけますか。

竹中 まず、成立した法律に基づいて準備を進めていくことになります。具体的には、今年10月に日本郵政株式会社という持ち株会社をつくるわけですが、その原型となる準備企画会社はこの1月に設立されます。トップは三井住友銀行前頭取の西川善文さんです。日本を代表する経営手腕を持った方ですから、民営化に向けていいスタートが切れると期待できます。

次に、4月には郵政民営化委員会をつくります。民営化ですから、日本郵政株式会社には大いに経営の自由度を発揮していただきたいですが、儲けるためには何をやってもいいというわけではありません。民営化するといっても、日本郵政株式会社は非常に大きな組織ですし、政府の資本も入っているわけですから、他の民間企業や経済全体とのバランスをとっていかなければならない。それを議論するための専門家の集まりが郵政民営化委員会です。

ただ、4月に民営化委員会をつくるといいましたが、2月か3月にはその準備委員会のようなものをつくらなければなりません。というのも準備企画会社は4月に国際物流分野への進出を予定しているので、それについて事前に議論する必要があるからです。

それだけに、法律が成立してから昨年末にかけては、準備企画会社の設立準備や民営化委員会のメンバー選定などに追われていました。

眞柄 そうした政府内の動きは、新聞などマス・メディアからは中々伝わってきませんね。法律ができたことで、私たちは何となく、郵政事業が自動的に民営化されるような気になっています。このようなお話は、もっと表に出てしかるべきですよね。

竹中 実際、私はメディアに対して毎日のように話しているのですが、日本のメディアはこうした地味な話題は中々取り上げてくれません。誰かと誰かが対立しているといった話にはすぐに反応するのに、肝心の政策については記事になりにくいようです。

眞柄 前回の総選挙では、一般の人たちが郵政民営化という政策に関心をもって投票したと思います。政策についてみんなが注目するというムードができただけに、いまメディアが政策について詳細な記事展開しないとなると残念ですね。

竹中 私は常々、なぜそうなのだろうと考えているのですが、1つには、政策というものが一般のメディア関係者が考えている以上に難しいということがあると思います。法律について解説するのも難しいし、ある政策のマクロ経済効果を分析するのも難しい。政策が大変難しくなってきているために、民間の評論家やメディアがついてこられなくなってきているんです。
これは非常に情けない話だと思います。政策を語れる専門家のグループが、この社会のなかに欠落しているということですから。

日本のメディアは、肝心の政策については中々取り上げてくれません。政策が大変難しくなってきているために、民間の評論家やメディアがついてこられなくなってきているんです。

眞柄 なるほど。3~4年ほど前、大臣が「構造改革によって日本は活力を取り戻せる」とおっしゃっていたころ、多くの評論家たちは「もう日本はおしまいだ」と悲観的なことばかりいっていました。そしていま、製造業は大臣がおっしゃっていたように調子が上向いてきています。あの評論家たちはどこに行ってしまったのでしょうね。

竹中 それが評論家というものですね。よくいえば言論の自由ですから。もちろん、評論家の予測した結末にならないように、日本人の1人ひとりが本当に頑張ったということだと思います。


■ 中小・零細企業への融資は継続しつつ 政府系金融機関を統廃合する

眞柄 昨年末には政府系金融機関の統合が発表され、また公務員削減といったニュースも聞かれていますが、これから実施される構造改革の全体像をお聞かせいただけますか。

竹中 改革の基本理念は極めて明快で、「小さくて効率的な政府をつくる」ということです。今後ますます高齢化が進み、人口も減ってきます。そのなかで政府が大きければ、国民の経済負担はどんどん重くなり、経済の基盤が崩れてしまう。だからこそ、民間でできることは民間に、地方ができることは地方に任せて、政府を小さく、かつ効率的にしていくことが必要になっているのです。

郵政民営化はその典型で、26万人の郵政職員が民間企業の社員になると、それだけでも国家公務員は約3割減ることになります。一気にこれだけの効果が期待できる行政改革はほかにありません。まさに構造改革の象徴といえるでしょう。

もう1つ、郵政の民営化はお金の流れという点でも重要です。郵便貯金の残高は現在、4大メガバンクの預金残高よりも多く、1400兆円ある個人金融資産のうち実に26%が国に入っている計算になります。しかし郵政事業が民営化されると、このウェートは約10年後に5%まで下がります。つまり“お金の入り口”に関しては、間違いなく小さな政府ができるわけです。

同時に考えなければならないのは“お金の出口”です。現在、政府系の金融機関は商工中金、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫など8つあり、企業の資金調達に占めるシェアは合計で19%に達しています。政府系金融機関がこんなに多い国はほかにありません。しかし、これを改革することによって、10年後には融資残高シェアを5%にまで圧縮することができます。これが昨年11月末に発表したもので、商工中金などは民営化し、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫などの5機関を1つに統合するというものです。

e0013611_8174475.jpg今後ますます高齢化が進み、人口も減ってきます。そのなかで政府が大きければ、国民の経済負担はどんどん重くなり、経済の基盤が崩れてしまう。
だからこそ、政府を小さくかつ効率的にしていくことが必要になっているのです。

眞柄 なるほど。しかし地方の中小・零細企業には政府系金融機関に頼っているところが多くありますから、不安が広がる心配はありませんか。

竹中 もちろん、政府が責任をもつべき金融事業もあります。海外のケースを見てもそうです。民間だけでは中小・零細企業のニーズに十分に応えることはできません。そこは統合によって誕生する新機関が果たす責務になります。また、インフラの整備に対する融資などリスクの高いものも、政府が手がけなければならない分野でしょう。しかし、それ以外のものはほとんど民間でまかなうことができるはずです。

統合するときに必要以外の機能を削ぎ落とすと、新機関の融資残高は40兆円ほどになるでしょう。これはりそなグループとほぼ同じ規模で、金融機関の経営という観点からしても適正でしょう。


■ 誰もが臆せずに参加するという意識が IT活用への第一歩

眞柄 ところで、竹中大臣は2000年にIT戦略会議のメンバーになられて以来、日本のIT戦略の立案に関わってこられました。2001年に発表されたe-Japan戦略では「5年以内に超高速アクセスが可能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進し、必要とするすべての国民が低廉な料金で利用できるようにする」という目標を掲げ、現在ほぼ達成されたのではないかと思います。ご自身はどうご覧になっていますか。

竹中 2000年に森内閣ができたとき、私とは慶應大学の同僚で、インターネットの専門家である村井純さんを当事の森喜朗総理にご紹介しました。それがIT戦略会議ができたきっかけの1つです。ソニーCEOだった出井伸之さんが議長となり、ソフトバンクの孫正義さんや東京大学の伊藤元重教授らをメンバーに発足しましたが、おっしゃるように「2005年までに日本を世界最先端のIT国家にしよう」とぶちあげました。IT国家としてまず重要なことはインフラですから。

インターネットに関しては当時、アメリカなどに大きく後れをとっていましたから、「世界最先端のIT国家になる」という話を信じた人は少なかったと思います。しかし現在、インフラ面ではおおむね達成できたといっていいでしょう。

日本のインターネットはいま世界で最も高速で、最も安く利用できます。政策は数知れずありますが、これほどうまくいった例はあまりないでしょうね。ある意味で世界の見本となり、ヨーロッパやロシアも同様の改革に取り組んでいます。

このようにインフラに関しては満足のいく結果が得られましたが、問題は利用と活用の面です。2000年の時点ではインフラさえ整備すれば、あとは民間の知恵でさまざまな応用が出てくると多くの人々は楽観していました。実際、ネットを利用した各種サービスが登場しているわけですが、いまなおせっかくのインフラが十分に活用されているとはいえない状況です。

そこで、2003年に発表した「e-Japan戦略Ⅱ」では、「IT利活用」というキーワードを盛り込みました。ITを活用する分野として医療、食、生活、中小企業金融などの7つに重点を置きつつ、それを支える人材の育成、研究開発の強化などに取り組んでいます。

また、インターネットの発展と時を同じくして、ユビキタスという概念も定着してきました。いつでも、どこでも、誰でも、何でも情報にアクセスできる環境のことですが、こうした概念が新たに登場したことで、ITの利活用に対して国民がますます貪欲になってきたというのが現在の状況でしょう。しかしそのニーズに応えるためには、まだまだブレイクスルーが必要だと思います。

e0013611_8182662.jpg日本のインターネットはいま世界で最も高速で、最も安く利用できます。インフラに関しては満足のいく結果が得られましたが、問題は利用と活用の面です。

眞柄 世界最速でなおかつ安い情報網ができたうえに、携帯電話も含めると子どもから老人まで、ほとんどの人がどこにいても情報にアクセスできる環境が整ってきたわけですね。それを前提に、さらに便利なサービスの開発が待たれると。

竹中 いまや一般の人でも、技術的には何でもできることがわかっています。それにもかかわらず、実現していないことはたくさんある。たとえば、携帯電話で音楽は聴けるのに、普通にテレビを観ることができません。全国どこにいても同じウェブサイトが閲覧できるのに、地方ではいまでも東京と同じテレビ番組を観ることができない。

これには著作権の問題などが大きく横たわっています。通信と放送では著作権に対する考え方が違うので、いきなりその壁を取り払うことは難しいでしょう。しかし議論だけしていても何ら進歩はありません。

インフラが整えば整うほどコンテンツの問題、つまり著作権がもつ意味は重くなってきます。その壁にどう取り組んでいけるかは、e-Japanの次のステージに課せられたテーマだと思います。

眞柄 IT活用という意味では、企業経営の面でも課題があります。e-Japanではインターネットを構造改革にも積極的に利用していくと謳われていますが、民間企業にとってはITをいかに経営に活かすかが重要だと思うのですが。

せっかくインフラが整ったわけですから、経営者の方々にはビジネス・プロセスの革新にもっとITを活用していただきたいですね。

竹中 その通りですね。私は大臣になる前から、中小企業の経営者の方々が集まる講演では必ず次のようなことを申し上げてきました。「みなさんは、社員たちに『いまやIT時代だ。インターネットくらい使えないでどうする』と話されているでしょう。でも、社長ご自身は使われていますか?」と。

ここに一番の問題があると思います。いまでは部長のところへ夜中にメールを送るという大企業の会長さんもいらっしゃいますが、やはり全員が臆さずに参加することを心がけなければいけません。

眞柄 せっかくインフラが整ったわけですから、経営者の方々にはビジネス・プロセスの革新にもっとITを活用していただきたいですね。ただIT業界のほうがあまりに「ITだITだ」と騒ぎすぎると、みなさんが目的と方法を取り違えてしまうという心配もありますが。

竹中 慶應大学の教授をしていたときに、ある学生が「インターネットを文房具だと思いましょう」というキャッチフレーズを出しました。まさにその通りだと思います。ITという言葉が一人歩きすると何かファッションのようになってしまいますが、それは避けなければいけません。


■ ウェル・インフォームド・パブリックの形成をライフワークにしていきたい

眞柄 竹中大臣は阪神タイガースの大ファンとうかがっていますが、構造改革に奔走しておられる現在、なかなか球場で観戦する時間もないでしょうね。

竹中 そうですね。残念ながらいまは無理です。ああいうものは、思い立った時にぶらりと出かけて観るのが一番楽しいのですが、そうするとSPの人たちにも気を遣わせることになりますので難しいところです。

好きな本を1冊持って、コーヒーを飲みながらタウン・ウォッチングというのも好きですけど、いまはそれもかないません。

ただ、この4年間「大臣という職は明日終わるかもしれない」と思いながらやってきましたし、いつかは必ず終わるときが来ます。プライベートなことはそれまで我慢するつもりです。

眞柄 最後に、竹中大臣の夢をお聞かせいただけますか。

竹中 そうですね……ある意味では職務上の夢でもプライベートの夢でもあるのですが、私はウェル・インフォームド・パブリックを形成していきたいと思っているんです。

夢は、ウェル・インフォームド・パブリックを形成していきたいと思っているんです。

眞柄 十分な政策情報がゆきわたっている社会、ということですね。

竹中 大臣になって改めて実感したのは「日本はすごい国だ!」ということです。非常に大きなポテンシャルがあり、国民1人ひとりが頑張っていることがよくわかりました。

その頑張りをみなさんの幸せにつなげていくことが重要なのですが、それは誰の仕事なのでしょうか。メディアはよく政治を批判しますが、政治家を選んでいるのは国民です。つまり国民を幸せにするカギを握っているのはみなさん1人ひとりということなのです。

すると、国民が自ら幸せになるためには、まず十分な情報がなければなりません。必要な情報が手に入り、その分析が的確にできたうえで自分たちの代表を選んでいくのが理想の形です。これがウェル・インフォームド・パブリックであり、国民がウェル・インフォームドになることが民主主義の基礎、つまりインフラなのだと思います。

私はいつまでも大臣でありつづけるわけではありませんから、政策専門家の育成や、社会教育としての経済学を通じたウェル・インフォームド・パブリックの形成に取り組んでいきたいと考えています。これはライフワークですね。

眞柄 現在でもインターネットなどを通じて情報は身のまわりに溢れています。1人ひとりがそれをしっかりふるいにかけ選別し、正確な判断を下していくことが重要なのでしょうね。

竹中 その通りです。これだけ情報量が増えると、情報処理能力が問われてきます。しかし先ほども申し上げたように、評論家やメディアですら政策についてこられないのが現状です。このままでは今後、人々は氾濫する情報に溺れてしまうおそれがあります。情報判断能力がもっと高まり、ウェル・インフォームド・パブリックが生まれてくれば、日本はさらに力強い国になるはずです。

眞柄 プライベートの楽しみは当分我慢されるということですが、それだけ大きな目標をおもちですから、休む暇がないのは無理もありません。
郵政民営化が走りはじめてお忙しいなか、今日は本当にありがとうございました。
[PR]

by darkmind628 | 2006-05-16 08:27  

福田→小沢→安倍・・・とバトンが渡る。

オレは、安倍温存論に興味は無い。温存しなくても、このまま行けば総裁選では実力で安倍サンが負ける。自民党内に、そういう風が吹き始めた。

というか、「風頼みの小泉自民党」なのに、無党派層で都会派と思われる大衆の風が、まるで凪のように止んでしまったのだ。大多数の浮動票や無党派層にとって、政治の関心が急速に薄らいでいる。昔ながらの「平時」になってしまったのだ。

一般大衆は飽きっぽい。本当の改革は「これから」なのに、改革の効果を街角で実感できるとすれば、これからなのに・・・、多くの人々は改革ムードに疲れて、飽きている。飽きれば、刺激が恋しくなる。そんな大衆にとって、分かりやすく「気分の良い」変化は、「小泉→小沢」だろう。理屈じゃない。ただの「飽き」だ。日本人は、自分の生活に直接関係無い、特に為政者や遠くにいる権力者の「ガラガラポン」が基本的に好きなのだ。

そうなれば、大衆の行動は「投票率の低下」か、「民主党への投票」となる。で、投票率が低下すれば、自ずと旧態依然の組織票が政治を決めることになる。旧態依然の組織票を否定して来た小泉自民党は、今さら組織票固めなど出来ない。オイシイ所は小沢サンがとっくに奪い始めている。

そうなると、小泉サンの風頼みで改革継続を連呼するだけの議員は、これから次々と落選し、自民党執行部は総退陣を強いられる。後ろ盾を失った小泉チルドレンはパニック状態に陥り、政治屋としての生活基盤を求めて次々と小泉サンの下を去り、集票基盤のある組織にスリ寄って行くだろう。

しかし、これは小沢サンの思うツボだ。つい先日まで、民主党は小泉自民党と主張の違いが見えず対立軸を打ち出せぬまま連敗を続けたが、今度は自民党が「格差の是正」と「アジア外交」の切り口で、民主党の後塵を拝する事態に陥る。「小泉政治の継承」では次の選挙に勝てない・・・とビビったケツの穴のコマい政治屋議員が、自民党を内部から分裂あるいは崩壊させて、民主党に後手をとるような悪循環に陥らせて行くのだ。

かくして、キーワードは「格差の是正」と「アジア外交」になって行く。

後世の歴史家が、いかに小泉サンを評価しようが、今の小泉自民党を攻め落とすための戦術的なポイントは、これらのキーワードに尽きる。小沢サンは、政争のために自己矛盾があろうが何だろうが、極めて実戦的な戦術を講じる。ちなみにオレは小沢流が生理的に嫌いだ。政治家のやることじゃない。セコい政治屋や小商人のやることで、武士道に反する恥知らずだ。

「取り敢えず政権を取らせてくれ。後は悪いようにしない。」と言って、昔の自民党が集票基盤にしていた組織や、旧・社会党や旧・民社党が集票基盤にしていた組織を取り込むのは、まさに今の民主党の成り立ちのような「寄せ集め」手法だが、水と油よりも交わらない集団を寄せ集めて、いったい何が出来るのだろうか?特定な集団の利害調整なら、まさに昔の自民党政治が民主党で復活するという事だ。人をバカにしている。少なくともオレはバカにされている気がする。

「格差の是正」は、小泉改革の揺り戻しを求める「旧・自民党スピリット」を持つ自民党議員が、地方の自民党員を動員して一斉蜂起することで表沙汰になる。小泉チルドレンも、地方の自民党県連に突き上げられて、「政治屋としての生活のため」に小泉サンを裏切り、次々と寝返って行く。

ところが、民主党が無党派層に訴求する「格差の是正」は、恐らく都会的なもので、地方の旧態依然とした組織が求める格差の是正とは異なる。小沢サンは、元々自民党の基盤だった組織票を奪い固めながら、一方で小泉改革に飽きた無党派層へ向かって、「格差」の違いを上手く突いて、自民党のミス(失点や失言など)を誘い出し、自民党の反対票を民主党へ囲い込んで行くことだろう。

かくして、小泉自民党の内部崩壊で福田総裁が誕生して、取り敢えずアジア外交を多少修正するだろうが、結果的には弱腰外交となり、中国や韓国を相手に不利益を被ることになり、北朝鮮にまでナメられて、一連の失点は民主党とマスコミの餌食にされるだろう。

一方、経済・財政面は大過なく今のマクロ経済の慣性力で進むだろうし、それをわざわざブチ壊す人ではないから、大きな外乱を受けない限り今の延長線上だ。景気が緩むからこそ、大衆は現状に飽きて変化を求めて自民党に愛想を尽かす。国政選挙で自民党が大敗し、福田サンはあえなく退陣。小沢サンは、めでたく政権奪取に成功する。

日本にマクロ経済の余裕が生まれて戦略的な「次の手」を打つべき時は、大多数の大衆にとって「天下泰平、誰が政権を担っても良い時期だから、政権を変えてみよう。」と考える時期なのだ。だから、細川内閣や村山内閣が生まれた。結果論で言えば、あの頃から小泉改革を始めていれば「失われた'90年代」を経験せずに、財政問題を抱えずに実力を備えた持続成長があったはずだった。しかし、あの頃の小泉サンは完全に変人扱い。これぞ日本人の限界だ。日本の一般大衆と政治屋には、そういう戦略的発想が出来ない事を裏づけている。小泉サンは100年に一度の人。少なくとも今世紀中に小泉改革の再来は無い。

小沢サンがめでたく政権奪取できたとしても、民主党は同床異夢の寄せ集め集団。政権奪取の目的まで達すれば、後は自己矛盾が顕在化して内部崩壊して行くだけだ。せめて、不測の外乱(テロや動乱、他国発の経済恐慌など)に巻き込まれて政治的に致命的なミスをしないことを祈るばかりだ。小沢サンは何も出来ぬまま、ヘタすると病死で退陣するかも知れない。小沢サンは良い死に方が出来ないタイプだ。小沢サンは、そういう自分のことを解っていて、それが怖いから人いちばい健康管理にご執心なのだ。それでも、小沢サンは自分勝手な目標(総理になること)を達せば、後は何も無い。腹上死のようにポックリ逝く気がする。小沢サンにとっては良い人生だ。後に残された民主党議員の右往左往が今から目に浮かぶが、国民のためには早く逝く方が良い。

あとは、安倍サンがキレずに、もう一頑張り勉強すれば、満を持して安倍内閣登場・・・となるだろう。ヘタすると河野洋平サンのように、首相になれない自民党総裁に奉られてしまうが、それこそ上手く立ち回らなくてはならない。そして、その頃の安倍サンは、ただのムード派でなく、中身にもっとイイ味がついているかも知れない。
[PR]

by darkmind628 | 2006-05-15 21:37