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出来るかどうかは別にして、良かったと思う。

ブッシュが対外的な「罪滅ぼし」をしたということか。退任間際だからこそ出来る政治判断だろう、と思う。ブッシュは、最後にようやく「人」としての判断をした。

福田サンも、これで「首の皮一枚」つながった。辛うじて、日本の最低限の面目も立ちそうだ。

何はともあれ、世界における日本のキャラは、「ドン臭い、お人好し」だ。

イジりやすくて、イジめやすく、ちょっとツツけば、いくらでもカネや便利グッズを出して来る。
騙そうと思えば、すぐにコロっと騙される。
いわゆる「カモ」だ。

国益をめぐり、利害がモロにぶつかる「机上の戦争」と言える外交交渉で、日本は青臭い建前論と寒いジョークを繰り出して来る「学級委員長」みたいなヤツだ。

リーダーシップのかけらも無く、情けないヤツだが、とにかく必死に平和を願っているので、憎めない。
そんなヤツがホストになって一生懸命エスコートしてくれているのだから、今回は花を持たせてやろうぜ…、みたいな展開だと思う。

でも、強力なリーダーシップが無かろうが、情けないヤツだろうが、ニヤけたお人好しだろうが、そういうヤツに免じて譲り合ってくれたのだから、結果オーライで良かったと思う。結果を出してナンボである。

それよりも、これからの本当の山場は、中国とインドだ。彼らに同じ論法は通じない。

ハッキリ言って、彼らは地球がどうなろうが、どーでも良いのだと思う。
自分たちが死んだ後の地球が滅ぼうとも、いま国の経済成長を前提に国内秩序を辛うじて保っている以上、この先ずっと清貧に甘んじるような政治判断は、絶対に出来ないのだ。
だからこそ、中国やインドの政治指導者は、自分が生きている間さえ良ければ、それでいいのだ。

こういう人達にとって、環境問題の対応で単なる「我慢」を受け入れるということは、自国の政治体制の崩壊を招くことになると考えているのだろう。北朝鮮の瀬戸際外交と本質は同じだ。

だからこそ北朝鮮と同様に、ダダをこねるほど、ゴネ得になるというのが彼らの戦術になるだろう。

となれば、技術もカネも何もかもG8諸国が出さなきゃ合意しないだろう。

特に、日本が何もかも持ち出しで、至れり尽くせりで、中国やインドに環境対応の工場やら最新技術の原発を建てることになるだろう。そして、彼らは自らは一切の設備投資をしないで、世界最先端の工場や原発をゲットするわけだ。
しかも、日本は何故か「すいません、やらさせていただきます」と、中国やインドにペコペコ頭を下げて、卑屈に謝りながら、何もかもやるはずだ。

かくして、日本は地球を守るために自国の富と知恵と利権の全てを中国やインドに吸い尽くされて行くのだ。その代わりに、中国の圧力で北朝鮮の拉致被害者が戻り、中国のパンダが贈られて来れば、せめてもの慰めだ。

そのとき、何もかも吸い尽くされて清貧に慣れ始めた日本国民は、平和を叫び、中国に向かって万歳三唱するのだろう。

ちなみに、温暖化と人口爆発が進んで食糧危機が更に深刻になったとき、中国は日本への食糧供給を情け容赦なく遮断するだろう。日本国内には餓死者が死屍累々となるはずだ。
そして、日本の更なる技術供与や無償支援、あるいは領土・領海の無償譲渡と引き換えに、有害農薬と虫やゴミにまみれた、わずかな食糧を得て、それを食べた日本人が更に死んで行くのだ。すなわち、日本は中国の奴隷になるのだ。

それでも、いいじゃないか。平和ボケした日本人が願う平和な未来像の現実とは、そういうものだ。

そのような日本で生きるのが耐えられない、極めて有能で国際的に第一級の活躍ができる日本人や日本企業は、体よく「挑戦」と自己弁護しながら日本を脱出して行くだろう。

そして、99.9%以上の平凡な日本人は、平和を叫んでお笑い番組や萌え系サブカルチャーに興じながら、日本と共に沈没して行くのだ。オレは、それでもかまわない。

何しろ、「赤信号、皆で渡れば怖くない」というのが、日本人の心だから。


<洞爺湖サミット>50年まで温室ガス半減 G8宣言に盛る

 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は8日、焦点だった地球温暖化対策で、2050年までに温室効果ガス排出量を少なくとも半減させる長期目標について「世界全体の目標として採用することを求める」という認識で一致。「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)のすべての締約国と共有し、UNFCCCの下の交渉で検討し、採択することを求める」と、首脳宣言に盛り込んだ。福田康夫首相は「G8(主要8カ国)の結束のもとに、途上国、新興国にも働きかけをしていく」と述べた。
 昨年のハイリゲンダムサミット(ドイツ)では、G8諸国で長期目標を真剣に検討するとの文言が盛り込まれたが、洞爺湖サミットでは長期目標が必要であるとの意思を示し、参加首脳から「長期目標の合意をG8として明確にとりまとめた。大きな成果」と評価する声もあったという。【柴沼 均】


<洞爺湖サミット>温室ガス削減に長期目標

 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は2日目の8日、主要8カ国(G8)首脳による会議に入った。最大焦点の地球温暖化問題では、2050年までに温室効果ガス排出量を少なくとも半減させる長期目標について「重要性を認識する」との表現でほぼ合意。昨年の独ハイリゲンダムサミットの「真剣に検討する」から認識を前進させる。午後の会議でこれを明記した地球温暖化に関する首脳宣言をまとめ、福田康夫首相が発表する。
 長期目標についてはさらに中国やインドを念頭にG8以外の排出国にも「認識の共有を促す」とする。ブッシュ大統領が6日の日米首脳会談後も「中印と意思を共有しなければ問題の解決はできない」と強調するなど慎重な姿勢を崩さなかった米国も歩み寄った。
 これに関連し、メルケル独首相は8日午前、ブッシュ大統領との会談後、記者団に「気候変動問題での進展や、食糧、石油問題での協力をめぐる文書化作業に大変満足している」と述べた。環境派として昨年のサミットの議論も引っ張ったメルケル首相も今回の合意内容を「進展」と位置付けた。
 京都議定書を離脱した米国が再び温室効果ガス排出削減の義務を実質的に背負うことになり、議定書で定めのない13年以降の新たな温室効果ガス削減に向けた枠組み作りも進展が期待される。
 洞爺湖サミットで最重要課題とされた温室効果ガス削減の長期目標で、これまで対立してきた欧州諸国と米国の歩み寄りを議長として引き出したことで、福田首相は今回のサミットを「成功」と位置付ける大きな足がかりを得た。

 ◇インフレ圧力に警戒感

 8日午前の首脳会議議論では世界経済について協議し、首脳宣言をまとめた。「原油や食糧の高騰が経済の安定成長に深刻なリスクをもたらす」とインフレへの強い懸念を表明し、G8が一致してインフレ圧力の高まりへの対応を急ぐ方針を確認。原油高対策としては産油国や消費国が一致して生産能力の拡大や省エネなどの需要抑制策に取り組むことなどを打ち出した。
 世界経済は、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題に端を発した金融市場の混乱が長引き、景気後退懸念が浮上している。
 好調を維持してきた新興国の経済も原油や食糧など一次産品の高騰による悪影響を受けており、景気が減速しつつある。各国の首脳は世界経済の安定成長にとってインフレが深刻な影響を与える恐れがあるとして、特に原油や食糧の価格抑制策について協議した。一方、協議の中でブッシュ米大統領は「強いドルは自国の利益になる」と改めてドル安への懸念を示した。
 また、会議では一部首脳からサミット拡大を求める意見が出た。


<洞爺湖サミット>「原発促進」新たな課題

 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)の首脳宣言が、長く原子力発電新設を凍結してきた英米などの方針転換を受け、原発の活用を温室効果ガス削減の「有効な手段」と位置づけることが、新たな課題を生み出している。主要8カ国(G8)は今後、エネルギー需要が急増する途上国への技術供与を進めるが、技術者や製造所の不足といったことが壁となる。
 首脳宣言は(1)国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受け入れる「核不拡散」(2)原発事故防止対策の「原子力安全」(3)テロ防止の「核セキュリティー」――の3原則の確保が重要だと確認。原子力導入国に対して3原則確保の「基盤整備支援を目的とした協力」をG8各国が積極的に担うことを盛り込む。
 欧州連合(EU)筋も「安全性や放射性廃棄物などの問題解決が前提だが、今のところ原発なしに温室効果ガス削減の高い目標実現は難しい」と述べ、容認する方針を示した。
 従来の慎重姿勢を見直す「原子力ルネサンス」と呼ばれる欧米各国の変化を受けた首脳宣言となるが、現実的に原発推進がどこまで広がるかは未知数だ。
 日本原子力産業協会によると稼働中の原発は08年1月現在、世界で31カ国435基。建設中が13カ国43基、計画中は16カ国53基ある。現在原発のないインドネシアやベトナムも新規導入を目指す。
 背景にはエネルギー確保に加えて原油高騰や温暖化への懸念がある。ただ、実際には技術者や製造所の確保が大きな課題。日本国内にも11基の新設計画があるが、昨年7月の新潟県中越沖地震で震災への懸念も一気に高まり、電力自由化でコスト的にも増設は見込めないとの見方もある。インドなど核兵器保有国の技術支援要請に被爆国としてどう対処するかも難問だ。【山田大輔、河内敏康

# by darkmind628 | 2008-07-08 17:55  

何をやっても、かしましい。

外交は机上で国益を争う戦いであり、全ては取り引きだ。最も露骨なのは北朝鮮の瀬戸際外交だが、先進諸国を含めてどの国も外交の本質は同じだ。

チベット問題やギョーザ問題で中国に噛みつくのはカッコ良いし、スッキリする人も多いだろう。だが、中国が日本の言い分に従うだけの取引材料が日本側にあるのか?勝てない喧嘩を売って一時的な気晴らしをしたところで、中国側の反撃に遭って痛い思いをするのは日本じゃないのか?

親米派やら親中派といった親「何某」派による、盲目的に友好的な「相手の言いなり外交」は取り引きじゃなくて、単なる従属だ。こういう連中は、相手国の工作員程度に受け止めておけば良い。

かと言って、精神論や筋論を主張して内輪の弱腰を非難したところで、現実的な取引が成立しなければ意味が無い。解っていながら敢えてするのであれば、それはポスト福田を狙って感情論に流される票を得たいだけの、内向きで利己的な政治屋根性であり、そこに国益を思う当事者意識は存在しない。

何につけても当事者意識の薄い連中ほど、責任者を批判のために批判し、人気取りの極論を吐いて賑やかに騒ぐものだ。オバチャン3人が集まり野次馬根性丸出しで騒ぐ様子は、「女」を3つ重ねて「姦しい(かしましい)」と書くようだが、それにイメージが重なる。誰の話をしようが、結局は自分の目先の都合しか考えてないのだ。

色々な立場の人を割り切らずに尊重するほど、そのバランス感覚は繊細になり、発言に節度が生じて地味になる。だが皮肉なことに地味な対応ほど、全ての立場の人から失望される。福田サンは、まさにそんな状況だと思うが、今の局面で偏った対応をして取り返しのつかぬリスクを背負うくらいなら、もっと福田サンを応援してもいいんじゃないか?とも思う。後期高齢者制度を引き合いに「どこがバランス感覚だ?」と突っ込む人もいるだろうが、「じゃぁ現役世代の負担がどうなってもいいのかよ?」と言いたい。オレのような逆ギレ発言もしないで、静かに淡々としている福田サンは凄いと思う。


<日中首脳会談>自民保守派に不満の声 [ 05月07日 21時12分 ]

 「戦略的互恵関係」の構築に向けて共同声明に署名した7日の日中首脳会談。政府・与党幹部らは一様に会談を評価したが、自民党内の保守派議員からは、チベット問題や冷凍ギョーザ事件などの懸案について「福田康夫首相は中国側に厳しい姿勢を示せなかった」との不満が上がった。昨年9月に福田内閣が誕生して以来、保守派議員は「親中派」の首相に対して目立った批判を避けてきたが、チベット問題などの成り行き次第では、保守派が、支持率低迷に悩む政権を揺さぶる事態も考えられる。
 「首相は対立点を深く突っ込まずに先送りしたのではないか。目に見えている収穫は中国からパンダ2頭を借りるぐらいだ」。自民党と無所属の国会議員でつくる勉強会「真・保守政策研究会」(会長・中川昭一元政調会長)の幹部は7日、首脳会談への不満をあらわにした。別の幹部は「首相の『対中弱腰外交』に国民も不満を抱いている。内閣支持率はさらに下がるだろう」と語った。
 研究会は、安倍晋三前首相が掲げた憲法改正など「戦後レジーム(体制)からの脱却」路線を継承するために昨年12月発足、保守派議員約80人が参加する。4月30日には、東京都内で中国の人権状況を考えるシンポジウムを開催し、チベット亡命政府の元幹部を講師に招待。安倍氏や「ポスト福田」をうかがう麻生太郎前幹事長らも参加した。中川氏は「北京五輪がスポーツの祭典として明るく開催できるか、世界が危惧(きぐ)している」と、チベット問題をめぐる中国の対応を批判。研究会幹部は「シンポジウムは日中首脳会談を前に、首相に中国に毅然(きぜん)とした対応を取るようにけん制するのが目的」と明かした。
 研究会メンバーには麻生氏の支持者が多く、麻生氏は安倍、中川両氏と連携を深めている。研究会メンバーは「対中外交は次期総裁選の主要テーマの一つ。麻生氏が総裁選に出たら、研究会メンバーの大半が支持に回る」と語る。
 こうした動きに対し、首相に近い与党幹部は一応に警戒感を隠さない。親中派を自任する自民党の山崎拓前副総裁は、研究会について「もう少し大局的見地に立って日中関係を重視してほしい」とけん制。公明党幹部は「ポスト福田を狙った動きで、今後の布石をしているのだろう。ギョーザ事件などで中国への不満が高いだけに、日中首脳会談が国民の目にどう映ったか心配だ」と語った。【堀井恵里子】


<後期高齢者>低所得者は保険料全額免除 参院自民提言へ  [ 05月02日 01時09分 ]

 後期高齢者医療制度について、参院自民党(議員会長・尾辻秀久元厚生労働相)は1日、低所得者の保険料の全額免除を柱にした運用見直し案を月内にまとめ、政府に提言する方針を固めた。基礎年金の満額受給(単身世帯で月額6万6000円)以下などの低所得者からは、保険料を徴収しない方向で調整する。現行制度では、保険料の減免は最大でも7割まで。政府も、提言を軸に検討を進める見通しだ。
 現行の減免制度は、加入者全員が負担する保険料(均等割り)について、世帯ごとの収入に応じて段階的に2、5、7割が軽減される仕組み。収入が基礎年金だけの単身世帯では、都道府県によって異なるが、平均月約1000円の保険料を負担している。
 尾辻氏は先月18日、福田康夫首相と会談し「収入が基礎年金だけの人からの保険料天引きはやめた方がいい」と提起していた。
 自民党は、先月27日の衆院山口2区補選でも新制度への不満が大きな敗因となったと分析。首相も先月30日の記者会見で、年金からの2度目の保険料天引きが行われる6月をめどに「どのような問題が生じているか集中的に点検する」と表明し、その結果を踏まえ「問題点については各自治体で必要な対応が取れるようきめ細かな手当てを講じていく」と述べていた。
 これを受けて厚労省は、新制度導入に伴う負担の増減について調査する一方、低所得者への減免措置を実施した場合に必要となる財源の試算を進めている。【山田夢留】


福田内閣支持急落19% 危機的、不支持66% [ 05月02日 16時56分 ] 共同通信

 共同通信が1-2日に実施した電話世論調査で福田内閣の支持率は19・8%と、4月調査から6・8ポイント急落し発足以来最低を更新した。20%を割り込んだのは森内閣以来で、危機的水準といえる。不支持率は66・6%。揮発油税などの暫定税率復活や後期高齢者医療制度への不満が影響したもよう。政党支持率も自民党24・3%に対し民主党30・3%と、昨年12月以来5カ月ぶりに逆転した。

# by darkmind628 | 2008-05-08 08:22  

「地道な改革」の積み重ねしかない。

猪瀬直樹サンが日経BPで道路特定財源について書いた記事は、今のところ最も納得できる。


道路特定財源にかかわる2つの極論、悪しき流れ
2007年12月5日

 道路特定財源の一般財源化と暫定税率の廃止にかかわる議論が活発になっている。そして道路特定財源を間に挟んで、2つの悪しき道ができ始めている。一つは、民主党が掲げる「タダ路線」。どの道路が必要でどの道路が不要かを検証せず、道路特定財源の「減税」を主張している。もう一つは、国土交通省と自民党道路族の主張だ。こちらは道路特定財源の「現状維持」をはかる方便として、ほんとうに必要な道路がどこかを考えず、なんでもかんでも道路をつくるという。
 どちらも、納税者が真実を見つめる妨げになっている。

道路特定財源は、暫定税率が「永久暫定」になっている
 道路特定財源とは、「揮発油税」、「石油ガス税」、「自動車重量税」、「自動車取得税」、「軽油引取税」などからなる。基本的に、道路に使う目的で徴収する目的税だ。税収の総額は約5兆8000億円。このうち、約3兆5000億円が国の歳入。約2兆2000億円が地方の歳入だ。
 現在、これらの道路特定財源の徴収額は、本則が定めた税率ではなく、暫定的に高められた税率(暫定税率)で計算している。例えば、いわゆるガソリン税(揮発油税)の本則税率は24.3円/リットルだが、暫定税率はこの2倍の48.6円/リットルになっている。例外はあるが、他の税も基本的には暫定税率を適用しており、平均すると本則の約2倍の税率を課している。
 「暫定」なので、5年ごとに税率を見直すことになっている。しかし、これまで、何十年にもわたって延長を続けてきた。「暫定」と言ってはいるが、「道路建設が必要だから」とう理由で恒久的に「暫定」税率が維持されてきた。

公共事業の削減により、一般財源化する余地が生まれた
 小泉内閣は、道路建設をはじめとする公共事業予算を毎年3パーセントずつ減らす政策をとった。その結果、国の道路特定財源による税収3兆5000億円のうち、7000億円くらいが道路予算につかうあてがなくオーバーフローする(余る)ことになった。そこでこの7000億円を、一般財源として、道路以外の目的にも使えるようにしようという考え方が「道路特定財源の一般財源化」である。国は800兆円を超える借金を背負い、毎年赤字国債を発行している借金大国である。少しでも借金返済の足しにできる。あるいは、税の徴収額を上げることなく、増えつづける社会保障にあてることもできるだろう。
 小泉内閣がスタートした2001年の12月19日の閣議決定で「日本道路公団は2005年度までに民営化する」と決まった。そのときすぐ翌年から、つまり「国費は、平成14年度(2002年度)以降、投入しない」と明記された。それまで道路公団には「利子補給金」という名目等で、毎年3000億円もの税金が投入されていた。
 このときに浮いた3000億円は、一般財源化できたはずだった。しかし政府はそれをまず、旧本州四国連絡高速道路公団(現本州四国連絡高速道路。以下旧本四公団と記す)が抱えていた借金の返済に充てた。旧本四公団が自力で借金返済が可能になる金額相当分として2003年から2006年にかけての4年間で1兆5000億円を投入している。
 僕はこの点についてこう記した(週刊文春2005年11月17日号「ニュースの考古学」)。
 「2000、3000、4000億円と金額が増えていったのは、余剰金の始末に困った国交省が本四公団に注ぎ込んだせいだ。小泉政権になって公共事業予算が3パーセントずつカットされてきたのに道路関係の税収が確保されているのだから、余剰金が出るのは当然である」
 この後も、公共事業は依然として減る方向にあるのでお金は余る。ひとまず旧本四公団への注入を終えると剰余金の総額が年間約7000億円になった。7000億円もの余剰金があれば、税収が6000億円の自動車重量税くらいはすぐに一般財源化できるという話につながる。僕は、こうした議論が起こることを、以前から予測していた。
 昨年秋に発足した安倍内閣は道路特定財源を一般財源化する方針を明言した。抵抗は大きかった。その一つが「税金が余るなら暫定税率を下げろ」という議論だ。例えば石油業界は「ガソリン価格が高いので暫定税率を下げろ」という意見を出した。自動車業界は「自動車重量税を廃止するべき」と言い出した。自動車重量税は車検の度に5万円ほどを納めなければならず、自動車オーナーの負担になっている。
 これらの業界は、道路特定財源の一般財源化にも反対する。要するに「道路に使え。道路以外のものに使うのはよくない」と言いたいのだ。じつは、「財源があまっているなら税率を下げろ」という言い方は、「いや違う。税率を維持して建設をつづけよ」という与野党入り乱れた道路族議員の言い回しと奇妙に呼応している。

安倍政権は、一般財源化を推進しようとした
 安倍政権は、2000億円程度を一般財源化することから始めた。残る4000億円余は道路周辺の電柱の地下埋設や、道路と電車とが交差する陸橋の敷設などに使うというかたちで、道路予算ではないが道路に関連する案件に使った。「納税者の理解を得られるように」という言い方で、道路族にも配慮したのである。まずは2000億円で足場を築き、それをもとに本格的な一般財源化をやるつもりだったのだろう。安倍政権がつづき、高い支持率を維持できていたら、一般財源化の規模は3000億円、4000億円と膨らんでいたに違いない。
 少子高齢化で年金の支払いが増える、医療費が増える、というと消費税増税という議論が出てくる。それはそうだが、増税の前に無駄づかいを減らす。そこでできた税金をきちんと使うことが、財政再建の第一歩だ。
 僕は道路建設がすべていけない、という原理主義者ではない。費用対効果にもとづいて適正にコストを見つめれば、ほんとうに必要で国益にかなった道路をつくることはできる。だが明らかに無駄と思われる道路はつくるべきではない。


民主党の主張を実行すれば、必要な道路すらつくれなくなる
 先の参議院選で、財源の保障を示さないなんでもタダでサービスを売り物にした民主党が勝利した。国民の中にそれを是とする風潮がある。このばらまきムードに安倍政権は敗れた。負けた自民党も、民主党と同様のばらまきの空手形を発行しなければならなくなった。いまは空手形合戦の様相を呈している。
 「タダ路線」は、第1の悪しき道だ。
 民主党は、道路特定財源の一般財源化や自動車重量税の半減、自動車取得税の廃止などを参院選で訴えた。また、今は原油価格の高騰を理由に、揮発油税の暫定税率を本則税率に戻す検討をしている。
 しかし、もし揮発油税の税率を本則税率に戻したら、減税額は約1兆4000億円に達する。更新をしなければ「暫定」の期限が切れてしまう上乗せ分の税額は国と地方合計で2兆7000億円にものぼる。そうなれば、ほんとうに必要な道路の建設すら危うくなる。
 いっぽうで民主党は、高速道路の無料化を提案している。これに必要な経費を1兆5000億円と試算している。この試算の根拠を示していただきたい。無料にすると、民営化された旧道路公団系の民営化3社に入っている2兆円の収入が消えることになる。このお金で、40兆円にものぼる高速道路の借金返済も、高速道路の管理費も捻出してきた。収入が消えれば、これらを全部、税金で穴埋めしなければいけなくなる。いったいそんな財源はどこにあるというのだ。しかも、旧道路公団の職員を全員公務員にする、というのだろうか。
 揮発油税を1兆4000億円減税したうえ、さらに2兆円の負担を増やす。こうした提案は無責任な空手形である。
 民主党のマニフェストは実現不可能だ。極論すると「地方に道路はなくていい」と言っているに等しい。民主党は、道路がつくれなくなることの重大さを、リアルに感じることができないのだろうか。もし与党になれば、発言はガラッと変わるに違いない。責任政党としての政策提言とは言い難い。

民主党の減税案は、地方を苦しめる
 仮に暫定税率をすべて廃止して本則税率に戻したとしよう。その場合、自治体によって減収額に差が出てくる。
 11月29日付けの朝日新聞に、「道路特定財源 上乗せ税率無くなると 地方、最大384億円減収」との見出しで以下の記事が載った。
 「道路特定財源をめぐり、本来の税率に上乗せされている暫定税率が来春になくなった場合、税収減の影響が都市部より地方で大きいことが分かった。岩手県や佐賀県の減収分は都道府県税収の7~8%に上るが、東京都や神奈川県は1%台にとどまる見通し」
 地方はクルマ社会だ。一家に1台ではなく、2台、3台があたり前。地方税である自動車取得税の減額などは自治体税収に大きく響く。
 民主党にも道路族議員がいる。ほんとうは困惑しているはずだ。

一般財源化と暫定税率の廃止を阻止しようとする悪しき道
 もう一つの悪しき道の話をしよう。それは、暫定税率を維持したままで道路特定財源は一般財源化せずすべて道路建設に使い切ろうという道だ。
 2006年6月1日に国土交通省が発表した「道路整備の中期ビジョン」は、「今後10年で道路整備に58兆円を使う」との旨を明記していた。道路特定財源の1年当たりの税収は5兆8000億円。毎年全部使い切ったとして、10年間でちょうど58兆円。とにかく使い切ろうという数字である。
 国交省の言い分は、自民党の道路族議員たちが整備をもとめてきた道路建設を前提に、国道や地方道も含めて、ありとあらゆる道路計画を寄せ集めて積み上げたものだ。国交省の言い値でつくれば、それだけの金額が必要になるかもしれない。しかし、必要のない道路もたくさんある。さらに、必要な道路にかかるコストを下げる努力も大切だ。
 この中期ビジョンが発表された当時、僕は「今後は中期計画の策定を監視しなければならない」と提案した。そうでなければ一般財源化どころではなくなってしまう。政府は取りあえず2000億円を一般財源化したが、その額を増やしていかなければならない。安倍前首相も同じ考えだった。
 そんな空気を読んだ国交省は、今年11月13日に、2008年度から10年間の道路建設方針を示す「道路の中期計画」を発表した。10年間で68兆円を道路に費やすという内容だ。昨年の「道路整備の中期ビジョン」で提示した58兆円が68兆円と10兆円も増えているのだ。
これは1987年に閣議決定した各路線の必要性を再点検する方針に転換したからだ。国交省は、「計画中の高規格道路1万4000kmをすべてつくる。それには65兆円が必要だ」とふっかけているのである。さらに、「高速道路値下げの原資」という名目で3兆円を上乗せし、合計68兆円にしている。
 1万4000kmの高規格道路とは国交省が管理する“高速道路”のこと。旧道路公団が管理していた“高速道路”を「高速自動車国道」と呼び、国交省が管理するものを「高規格道路」と呼ぶ、と考えればよい。通行台数が少なく、料金を取っても仕方がないような道路や、何かしらの事情で高速道路の建設計画に入らなかった道路も、高規格道路の計画に含まれている。
 「道路整備の中期ビジョン」にあった「58兆円」は、道路特定財源5兆8000億円の10年分ということ。従来の計画をなんら変更するものでなく、非常にごう慢な数字だと思った。しかし今回は68兆円と“超”ごう慢になっている。特定財源をすべて使い切るのみならず、さらに10兆円がかかるという。「だから、一般財源化や暫定税率を廃止する余地など、とてもない」とのパフォーマンスなのだが、いささか品がない。
 11月14日付けの読売新聞に僕はこう述べた。
 「1万4000kmは国交省の言い値で、必要な道路を精査すればもっと減るはずだ。暫定税率を維持するための苦肉の策だろうが、個別路線の費用対効果を開示するのが大前提だ」
 今回、68兆円という数字が出てきたのは、来年の3月に、道路特定財源の暫定税率が見直しの時期を迎えることが関係している。「もしかすると暫定税率が廃止になるかもしれない」という焦りから68兆円という数字がでてきたのだろう。暫定税率そのものが危機になってきたので、道路を欲しがる地方に意見を聞き、68兆円という数字をつくった。
 今までの議論は一般財源化に関する攻防だったのだが、今度は暫定税率の攻防も加わった。

極論を排して、地道な改革に戻ることが必要
 この二つの悪しき道……民主党は「タダだ、タダだ」と言いまくり、国交省は「68兆円が必要だ」と強調する……が、ことの本質を見えなくさせている。勉強不足のメディアは右往左往しながら、それぞれの主張にまんまと載せられているし、テレビなどはきちんとアタマを整理できず、ただ騒いでいるだけだ。
 道路公団民営化委員会で、僕は一つひとつの高速道路について、さまざまな数字を出した。その数字をもとに、「そもそも必要な路線なのか、必要でないのか」、「3車線を2車線にするか、2車線を1車線にするか」などを判断した。こうした作業を積み重ね、高速道路にかかるはずだった20兆円を10兆円にまで圧縮することを可能にした。しかし、その当時の努力がすっかり忘れ去られ、ばらまきは野放図に復活しかけている。
 いま、「タダにしろ」とか「道路特定財源は道路で使いきれ」などとポピュリズムの変な風が吹いている。繰り返すが、日本国は800兆円の借金大国であり、借金はいまも増えつづけている。抜本的な税財政改革の前に、ほんとうに無駄はないか、国民の負担はどうあるべきか。地道な改革を語らなくてはならない。

# by darkmind628 | 2008-03-20 23:44  

批判のための批判を生業とするメディアに踊らされる衆愚政治

NHKを除くプロの民間メディアはコンテンツを売り、広告収入を得て食っている。結局は営利企業だ。自ずと、報道の正確さや中立性よりも、営利のための報道を優先するのが現実。だから、民間メディアが報道すると、どうしてもエンターテイメントになる。
NHKだって受信料に見合う視聴率を得ることが必須と考えて自らを追い込んでいるのだから、多少の葛藤はあるだろうが、結局は口先で「公正中立」と言いながら、視聴率をとるためにウケを狙った報道へ傾く。
メディアなんて、安心・安全を謳い文句にしながらバレないように手の込んだ偽装を続ける食品業者と同じようなものだ。

ちなみに、週刊誌や夕刊紙は、どこも部数を落として業績がボロボロだ。ネットの普及でメディアが拡散して、紙媒体の存在意義が薄れて来たし、エンターテイメント性が強い媒体ほど、ネットにシフトし易いから、自然の成り行きだ。構造的な問題なのに、部数の落ち込みをリカバリーしたいから、商売の都合で扇情的な記事をさらに先鋭化させる。

一方、オレたちは誰もが大なり小なりストレスや欲求不満を背負って生きている。そして、多くの人にとってストレスや欲求不満のハケ口は愚痴である。愚痴の多くは、批判による自己正当化であり、批判に対する共感がストレスや欲求不満を一時的に癒す。だから、いつの世も愚痴と批判が絶えない。どんなに満たされても、何かを愚痴って、誰かを批判する。それが人の本性だ。

さらには、今どき多くの人がストレスの発散をイジメに求める。誰かを精神的、肉体的にボコボコにして再起不能にさせるほどのダメージを与えることで、スッキリする。どいつも、こいつも、誰かに向かって「死ね」と言う。中には自分に向かって死ねと言う者も現れて、共感する者同士が狭いクルマの中で窓を閉め切って練炭を囲んだりする。

グリーンスパンは、「人は生存に必要な生活水準を満たすと、その後の欲求は相対的になる」と言った。オレもそう思う。人は「生きてりゃ十分」と考えず、他人と比べたり競ったり争ったりして、他人よりも良い生活を求めて行く。

その結果、欲求とストレスが無限に高まり、節操が崩壊して、バブルが起きる。盲目的な集団暴走の中にいると、一人で立ち止まる方が困難でケガをするし、皆と一緒でいる方が気楽で快適だ。その姿を遠くから見れば、まるで断崖絶壁の崖に向かって何の迷いもなく集団で走るネズミのようだろう。

多くの庶民が生存に要する生活水準の維持をめざしていた頃は、集団で寄り添わないと生きられないから、かえって節操があった。まるで極寒の地吹雪の中で、じっと静かに身を寄せ合い、子供を守るペンギンのコロニーのようだった。躾の中で愚痴が戒められ、無責任に批判する者やイジメをする者は卑怯者とみなされ、コミュニティから締め出された。コミュニティからの離脱は即刻、死を意味するほど深刻だった。

今より多少の節操が守られていた頃、週刊誌や夕刊紙がメディアとして低く見られたのは、そのせいだ。ところが、今は節操が崩壊し、無責任な批判を生業にする者が増殖した。所詮はエンターテイメントの商売としての批判なのに、多くの人がそれを真に受けて踊らされた結果、世論が大きく傾いて行く。

今の政治の混乱について、安倍サンや福田サン、与党を批判するのは簡単だ。しかし、そういう状況を招いたのは国民である。参院選で民主党をはじめとする野党に投票し、あるいは選挙を棄権した人が、今の状況を招いたのだ。

衆愚政治を好んで招き、日本を世界中の嗤い者にさせて、当事者能力のある人材を排除し、日本経済の世界的な地位と影響力を貶めて、政治の混乱を食い物にする野党の政治屋とメディアばかりをウハウハと儲けさせているのは、今や過半数を超える平和ボケした日本国民である。


日銀総裁ポスト「空席」確定 福田政権「脳死状態」なのか [ 03月19日 19時18分 ]
J-CASTニュース

混迷が続いている日銀総裁人事だが、2回目に政府が提示した人事案を再び参議院が「不同意」し、総裁ポストが空席となることが確定した。党内からは、この前代未聞の事態に「首相に傷が付いた」という声もあがっている。しかし、マスコミの認識は「傷」どころではなく、複数のマスコミが福田政権を「脳死状態」と表現。「危篤状態」と書く夕刊紙もあり、福田内閣は危機的だという見方が広がっている。
週刊誌2誌の特集見出しが、偶然「脳死状態」
2008年3月19日午後に開かれた参院本会議で、政府が提示した田波耕治・国際協力銀行総裁の日銀総裁人事を民主党などの反対多数で「不同意」とした。「不同意」は 武藤敏郎副総裁の昇格案に続いて2度目だ。この結果、福井俊彦総裁の任期切れである3月19日までに新総裁が決まらなかったため、総裁のポストが戦後初めて空席になるという異例の事態を迎えた。
このような状況について、自民党の加藤紘一元幹事長は
「(不同意が)2度目になり、(首相に)傷が付いた。次の段階は、十分準備して臨んで欲しい」
と述べ、ただでさえ求心力の低下が指摘されている福田首相が「泣きっ面に蜂」の状態だという認識を示した。
だが、週刊誌などの認識は「傷が付いた」などという生やさしいものではないようで、首都圏で08年3月19日に発売された週刊誌2誌に、偶然にも「脳死状態」という見出しが並んだ。
週刊新潮が掲げた見出しは、「もはや『脳死状態』という福田内閣 『総辞職』のタイミング」。3月16日に、政局が緊迫しているのにもかわらず、福田首相がオペラ鑑賞に出かけていたことを
「休日とはいえ、のんびりオペラ鑑賞とは首相の見識が問われるのではないか」
と批判。さらに、福田政権の求心力の一因は「伊吹-町村ライン」にあると指摘。国対レベルで進めようとしていた自民・民主レベルでの交渉を伊吹幹事長がぶち壊した、などと指摘したほか、自民党関係者の
「官房長官が首相の腹の内をほとんど知らされていないというのは有名な話」
という話を伝えている。同誌では、
「もはや福田政権の命運は、いつ『生命維持装置』を外すかにかかっている」
と、現状は「脳死状態」だと指摘。焦点は4月の内閣改造としながらも、福田首相が、小泉政権の官房長官を年金未納問題で突然辞任した「前科」を例に引きながら、政権を投げ出す可能性も示唆している。
夕刊フジは「福田内閣 危篤状態」
一方の週刊文春は、「福田政権『脳死状態』で ニッポンは全身マヒ」という見出しを掲げた。同誌では、福田首相がイージス艦衝突事故で行方不明になった男性の親族宅に「電撃訪問」したのは、石破防衛大臣の辞任を回避するための「政治利用」だったのではないかなどと指摘。さらに、自民党内からも異論が出ているとして、
「首相の周囲でサポートする人がいないのではないか」(後藤田正純衆院議員)
「(毒ギョーザ問題などの日中問題について)政治的に強いメッセージを中国に対して出してほしかった」(水野賢一衆院議員)
「福田内閣には広報の体制がない」(世耕弘成衆院議員)
といった声を紹介している。
さらに、参院での2度目の不同意が決まってからは、夕刊紙の見出しも過激化。
「痴呆に近い、この国の首相」(日刊ゲンダイ)
「福田内閣 危篤状態」(夕刊フジ)
などと批判をエスカレートさせている。
もっとも、2月19日午前の段階で、民主党の山岡賢次国会対策委員長は
「副総裁は2人決まる。そのうち1人を総裁代行にしてもいいし、総裁にしてもいい」
と述べ、すでに副総裁就任の国会同意が得られている白川方明・京大教授を改めて総裁候補として提示した際には、容認する可能性を示唆した。
それでも、福田政権がピンチであることには変わりがない。

# by darkmind628 | 2008-03-20 13:04  

民主党は国を人質に政権交代を迫る反社会的革命家集団だ。

日銀人事の政府案に対する、民主党をはじめ共産、社民各党の拒否の言い分は、まったく状況に向き合っておらず、他人事である。最初から「拒否ありき」で、その理由をひねり出して述べているような印象だ。

日本には融政策の代表者を育てる道筋が一本しかない。日銀だけで育った人か、財務省(旧大蔵省)で育った人を日銀で仕上げるかだ。恐らく、福井総裁が就任した当時から、日銀だけで育った者に妥当な人材がおらず、次を武藤サン一本に絞り、万全の準備をして来たのだろう。国際的に当事者能力を発揮できる人材を日銀だけのキャリアで育成できなかったのだろうから、武藤サンが拒否られても、結局は財務省(旧大蔵省)で政策と国際間の調整に携わった人にしか出来ないハズだ。世界金融の独特の世界を知らない企業人はもとより、理屈と評論だけの日本の学者が、待ったなしの局面で当事者能力を発揮出来るわけない。

要は、財務省出身者がダメだと言われたら、他に当事者能力を発揮できる人材がいないのだ。民主、共産、社民は、それを知っていながら、自ら候補者を示すこともなく、高みの見物と評論で拒否ってばかりいる。参院の多数派として人事の拒否権を握っていながら、建前論で代替案を示さず他人事のようにスマして拒否のための拒否を続けるのは、国政に対する破壊行為だ。

オレが言うまでもなく、サブプライム問題で米国の金融バブルが弾け、既にスタグフレーションが始まり、世界不況に陥り始めている局面である。

近々主要国の蔵相と中央銀行トップが集まり、対応を協議しようとしている時、日本は日銀トップが空席という、世界に恥ずべき事態に陥りつつある。これは単なる恥では済まされない。円が国際通貨のリーダーシップをとり、強い日本になれるかどうかという千載一遇の機会に、日本は自ら当事者責任を放棄し、円の存在感を失わせようとしている。

例えれば、オリンピックの日本代表選手選考で内輪モメして、結局はオリンピックに誰も出場させなかった、という事態みたいなものだろうが、実は、それよりもひどい。何しろ、日本経済と国の命運がかかっているのだ。

自民党のせいにすれば、その結果、日本がどうなろうが政権奪取さえ実現すれば構わない、というのが民主党の露骨な姿勢だ。党利のためには国を犠牲にしても構わない、と平気で考えているとしか思えない。客を乗せて運転しているドライバーの手足を縛っておきながら、どこへ走れと要求するでもなく、とにかく事故ったらドライバーの責任だと騒ぐテロリストだ。

こういう発想こそ、反体制的な革命活動家にありがちな傲慢ではないか。

多くの人は、「壊し屋」「剛腕」と呼ばれる小沢サンに傲慢さのイメージを求めるだろう。実際、小沢サンがそのように立ち振る舞うのだから、その通りだ。

だが、欺瞞に満ち一た派は、旧社会党系の民主党議員だ。

社会主義者と共産主義者の政治目的は、結局は天皇と民主主義を抹殺して、一党独裁の特権階級支配を実現することにある。要は、中国共産党や北朝鮮の金正日みたいになりたいのだ。日本の社会主義者と共産主義者は護憲を主張するが、彼らが守るのは9条だけであり、9条以外は全て塗り替えたいのだ。

そして、個人の権利や財産を党のモノとして取り上げる。そういう発想だから、党利のために国民の犠牲は何とも思わない。今は「弱者の味方」と称して与党を攻めているが、無知な弱者を洗脳し、自党への投票行動に結びつける活動こそ、彼らの真骨頂だ。カルト宗教団体と本質は何も変わらない。

そういう連中が内部分裂して、一部が民主党に流れ込んだ。欺瞞の本性をさらけ出すと選挙に支障があるので、民主党の中に棲息して、民主主義者の皮をかぶり、中で勢力を拡大して、いずれ政治体制の転覆をはかろうとしている魂胆が見え見えだ。

そして、今回の日銀人事で「化けの皮」がはがれた。

小沢サンを矢面に立たせて、政権奪取の御旗で現実主義者の小沢サンの独走を押さえつけながら、今の体制による日本経済を敢えて崩壊させても構わないと思えるのは、社会主義者と共産主義者の反体制革命活動家であることの証左だ。オレは、民主党の中に棲息する社会主義者達が、小沢サンという「楯」の陰に隠れた反社会的な革命活動家集団に思えてならない。

そして、こういう連中を増長させたのは、まぎれもなく参院選で民主党に票を投じ、あるいは投票を棄権した日本の有権者である。衆愚政治を好み、平和ボケした、そんな日本国民に責任があるのだ。安倍政権に嫌気して軽く「お灸」を据えたかっただけかも知れない。だが、オーバーシュートの責任は国民にある。そういう「軽さ」「緊張感の乏しさ」、そして「当事者意識の欠如」こそ、日本人が「平和ボケ」と指摘される所以だ。

オレは決して右翼でないし、自民党ありきでもない。だが、今の民主党は絶対にマズいと思う。念のために付け加えると、日本にいる社会主義者と共産主義者は民主主義体制の体内に巣食う寄生虫である。国民の不満の受け皿として一定数は必要だが、増長しないように常に駆除すべき存在だ。世界で最も理想的な、真の社会・共産主義は今の自民党と官僚による政治体制であり、旧社会党系と共産党の人は、イデオロギーに名を借りた反社会勢力に過ぎない。

オレの希望は、自民党と民主党の旧態依然とした利権商売の「政治屋」を分離し、国家財政を食い物にするような利権を持たない、政策立案能力のある人を一つの党にまとめて、政界を再編することだ。そのために必要な最も穏やかなプロセスとして、福田政権を支持しているのである。せめて、世論調査は福田政権を圧倒的に支持して、このまま総選挙をしたら民主党が絶対に負ける、という警告を与えるべきだ。どのみち参院の状況は変わらない以上、世論調査が有利であっても、穏健な福田サンは決して自ら解散しないで、品良く政策協議を求めるハズだ。

それが最も日本人の感性にマッチしているのではないのか?


<福田首相>メルマガで日銀総裁空席の責任、率直に認める  [ 03月20日 17時27分 ]

 「今日は、戦後初めて、日本銀行総裁のいない日となりました」。福田康夫首相は20日配信の福田内閣メールマガジンで日銀人事問題を取り上げ、総裁空席を招いた責任を率直に認めた。
 首相は「今回の事態は、日本が政治的に重要な決断を行えないというメッセージを国際的に発信する結果となった」とした上で、「責任を重く受け止めている」と謝罪した。ただ、昭和初期に軍部と妥協せずに軍縮を進めた浜口雄幸元首相の言葉「唯一正道を歩まん」を引用。「日本経済や国民生活に大きな影響を与えるポストだからこそ、逆に、人物本位を貫くべきだと考えた」と述べ、武藤敏郎、田波耕治両氏を提示した判断の正当性を強調した。
 首相は「民主党から提案があれば、聞く耳は十分に持っている。しかし『個人』の意見は述べるが、『党』の意見として(総裁候補の)名前が出されたことは一度もない」と民主党の対応に不満を漏らした。その上で「拒否権を振りかざし、時間切れに追い込むような態度だけでは、国民に対する政治の責任は果たせない」と批判した。【与那嶺松一郎】


<日銀人事>戦後初の「総裁空席」対外的信認にも大打撃 [ 03月19日 23時32分 ]

 政府は19日、日銀の福井俊彦総裁と武藤敏郎氏ら2人の副総裁が同日で任期満了になるのに伴い、元日銀理事の白川方明(まさあき)京都大大学院教授(58)と西村清彦日銀審議委員(54)の副総裁就任を持ち回り閣議で決めた。総裁は、政府が提示した武藤氏と田波耕治国際協力銀行総裁の起用案が参院で相次ぎ不同意となり、日銀は戦後初めて「総裁空席」の異常事態に陥った。
 日銀は19日夜、白川副総裁が総裁職務を代行することを決めた。白川氏は21日の日銀政策委員会で議長に選ばれ、金融政策運営を主導する。日銀は4月8、9日に金融政策決定会合を開くほか、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)も予定されている。空席が長引けば白川氏が代行として出席する。
 米サブプライムローン問題の深刻化で国際金融市場が混乱する中の総裁空席に、市場では「世界経済や金融市場の非常時に、日本は機動的な対応ができるのか」と懸念の声が出ている。「日本の政治の機能不全を鮮明にした」との声もあり、日本の対外的な信認に大きな打撃となった。
 白川氏は日銀生え抜きで02年に金融政策を立案する企画担当理事に就任。退職後の06年7月から京都大大学院教授を務めていた。西村氏は東京大大学院教授を経て05年4月に日銀審議委員に就任した。西村氏の副総裁就任で日銀審議委員は当面、1人空席となる。【坂井隆之】


<日銀総裁空席>「異例で残念だ」…退任の福井氏 [ 03月19日 20時59分 ]

 日銀の福井俊彦総裁は19日退任にあたり会見し、日銀総裁空席の事態について「歴史的に極めて異例で残念だ」と述べた。そのうえで「どこの組織でもトップを欠いた状態で、長期間好ましい運営ができるものではない」と指摘、空席の長期化に強い懸念を示した。
 総裁を決められなかった政治の混迷に関しては、「今回を材料にしつつ、政治の意思決定メカニズムをどう効率化すれば、国民の利益を最大化できるかを考えることが大切だ」と注文した。
 民主党が財務事務次官出身者の総裁起用に反対したことについては「通貨安定への強い決意や市場を大切にする心、グローバルな視野の3点があれば、どこの組織の出身かは関係ない」と述べた。【斉藤望】


<国会同意人事>人事院総裁など4機関6人を政府提案 [ 03月19日 20時35分 ]

 政府は19日、4月4日に任期が切れる谷公士(まさひと)人事院総裁(人事官)の再任案など、4機関6人の国会同意人事案を国会に提示した。谷氏は元郵政事務次官で、民主党は4年前の人事官就任時に経歴などを理由に反対した。党内には「今回も同意は難しい」との声があり、日銀総裁人事と同様に民主党の対応が焦点となりそうだ。
 与野党は26日に谷氏の所信聴取と質疑を実施する。3月31日~4月7日に任期切れとなる他の5人とともに来週の衆参両院本会議で採決する。人事院総裁は3人の人事官から政府が任命。総裁に欠員が生じた場合、国家公務員法は「先任の人事官が代行する」と規定している。
 谷氏以外は、情報公開・個人情報保護審査会委員の藤宗和香最高検検事、久保茂樹青山学院大教授、新美育文明治大教授、中央社会保険医療協議会委員の牛丸聡早稲田大教授、社会保険審査会委員の諸星裕美社会保険労務士。【野口武則】


日銀総裁に田波氏提示 民主「受け入れ困難」 [ 03月18日 11時52分 ] 共同通信

 政府は18日午前、日銀総裁人事で元大蔵事務次官で国際協力銀行総裁の田波耕治氏(68)の起用案を国会に提示。副総裁候補には日銀審議委員の西村清彦氏(54)。午後の所信聴取を経て、福井俊彦総裁(72)の任期が切れる19日の衆参両院本会議で同意を得たい考え。民主党は新人事案の賛否について議論を進め、18日中に結論を出す方針だが、田波氏は武藤氏と同様に大蔵次官の経験者で、受け入れは困難な見通し。


民主、田波氏に不同意大勢 西村副総裁は同意へ [ 03月18日 18時57分 ] 共同通信

 参院議院運営委で所信表明する、日銀総裁候補の田波耕治氏。左は副総裁候補の西村清彦氏=18日午後 [ 写真拡大 ]
 日銀総裁人事で、民主党は18日、次期総裁候補として政府が国会に提示した国際協力銀行総裁の田波耕治氏の所信聴取を踏まえ同意人事検討小委員会の開催など一連の党内手続きに入る。最終的に幹部が協議し同日中に結論を出すが、党内は「田波総裁」案に「不同意」とする意見が大勢。副総裁候補の日銀審議委員の西村清彦氏には同意する見通し。田波氏については共産、社民両党も不同意とみられる。


市場フラッシュ=アジア株安を受け上げ幅を縮小、総裁空席リスクを意識とも [ 03月18日 12時53分 ]

 18日後場寄り付きの東京株式市場では、上げ幅を縮小。上海、香港などアジア株式市場が軒並み下げに転じ、シンガポール取引所(SGX)で225先物売りが先行。平均株価は急速に伸び悩んでいる。NHKは午前11時ごろ、政府が新日銀総裁候補に田波耕治・国際協力銀総裁を提示する方針と報じたが、「元財務事務次官である田波氏を民主党は受け入れないとの見方から、総裁空席リスクが意識され売りを誘発した」(中堅証券)との指摘も聞かれた。なお、昼休みの立ち会い外バスケット取引は「金額は小さく、売買均衡」(外資系証券)だった。
 東証1部の業種別株価指数では、午後零時45分現在で値上がり15業種(前引けは27業種)に減少。保険、空運、パルプ・紙、陸運、その他金融、小売などが伸び悩み。機械、鉄鋼、証券、電気機器、情報・通信、輸送用機器、不動産などが下げに転じている。値下がり業種では鉱業、非鉄金属、海運、卸売などが一段安。


<日銀人事>総裁候補に田波国際協力銀行総裁…政府提示 [ 03月18日 11時20分 ]

 19日に任期満了となる福井俊彦日銀総裁の後任人事について、政府は18日午前、参院で否決された武藤敏郎副総裁の昇格案に代わる人事案を国会に提示した。新たな総裁候補は元大蔵事務次官の田波耕治国際協力銀行総裁(68)で、副総裁候補は西村清彦日銀審議委員(54)。与野党は18日中に衆参両院の議院運営委員会で、それぞれ正副総裁候補2人の所信を聴取、19日の両院本会議で採決する。
 政府は7日、元財務事務次官の武藤氏を総裁に昇格させ、白川方明(まさあき)京都大大学院教授、伊藤隆敏東京大大学院教授を副総裁に起用する案を提示。しかし、12日の参院本会議では「財政・金融分離」を主張する民主党などの反対で武藤、伊藤両氏が不同意とされ、衆参両院の同意を得た白川氏の副総裁起用だけが確定していた。
 田波氏は64年に旧大蔵省(現財務省)に入省、理財局長、内閣官房の旧内政審議室長などを経て98年事務次官。99年に退任し、01年に国際協力銀行副総裁に就任、07年10月から総裁を務めている。
 新人事案は、町村信孝官房長官が18日午前11時からの衆参両院議運委員長らによる「議運委両院合同代表者会議」で提示。町村氏はこれに先立つ記者会見で「大変厳しい国際金融情勢の中で、任を十分果たすことができる極めて有能な方々を提示する。当然、受け入れていただけると信じている」と述べ、民主党の同意取り付けに自信を示していた。
 武藤氏の処遇にこだわった福田康夫首相は17日、福井氏の総裁続投と武藤氏の副総裁留任を民主党に非公式に打診したが、拒否された。【中田卓二】
 ◇政策通の大蔵次官…田波耕治氏
 日銀総裁候補となった田波耕治氏は、旧大蔵省で防衛予算や地方財政を担当する主計官や主計局次長、理財局長など要職を歴任した。その後、96年7月から内閣官房で国内行政を束ねる内政審議室長を務め、一時は出世コースから外れる形になった。しかし、同期入省組の事務次官候補がスキャンダルなどで脱落したため、最終的には大蔵事務次官に就任することになった。
 旧大蔵省では、予算を編成する主計局や主税局などを担当。バランスのとれた政策手腕には定評がある。【川口雅浩】
 ◇理論経済学が専門…西村清彦氏
 西村清彦氏は東大大学院教授を経て05年4月に日銀審議委員に就任。理論経済学や経済統計が専門で、住宅市場や不動産バブルの分析にも精通している。サブプライムローン問題発生後は、米経済への影響の深刻さを早くから指摘。最近の講演では、日本経済が悪化した場合は利下げも排除しない考えを示していた。

# by darkmind628 | 2008-03-18 17:10