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同床異夢の寄り合い所帯「民主党」の限界。

前から何度も指摘して来たが、民主党はザックリ言って、「旧社会党」「労働団体」「市民団体」といった「アンチ自民党」、そして「旧い自民党」で総裁になれなかった「政局荒らし」の寄り合い所帯。元々イデオロギーが違うと言えるほど政治信条や立場が違うのに、ここまで民主党が団結できたのは、「政権奪取」の「目標」が、事実上の党の「目的」であったからだ。

マニフェストと称して「耳心地の良い政策」を掲げながら、自民党のオウンゴールに乗じて反対票を集めることは出来ても、「寄り合い所帯」に現実の泥臭い国政に対する当事者能力が無いことは明らかだ。

何故ならば、当事者になれば目前に直面する諸問題に対する現実的な判断が求められるわけで、そうなれば自ずと「耳心地の良い政策」が自己矛盾を来たして来るからだ。「国民の理解を得られない」「公約違反だ」と党内外で騒ぎになり、党運営が混乱するのは間違いない。このまま政権をとれば、移り気な世論調査結果に迎合して迷走する衆愚政治に陥り、最終的には世論に「失望した」と言われハシゴを外されて選挙で大敗するのがオチだ。

そんな中で、小沢サンは、あくまで「政局」と「選挙」に強い「政治屋」だ。田中角栄を象徴とする「旧い自民党」の金権政治屋が最も軽蔑していたのは「政策」らしいが、金権政治屋の愛弟子・懐刀として、そういうリアリズムを最も色濃く受け継いだ政治屋が小沢サンだ。青臭い民主党の政策論議に距離を置き、ひたすら地方を回って組織票固めにいそしんでいたのもうなずける。

だから、政治の裏方として国会運営をはじめ政局と選挙では懸命に動くものの、政策を実現させる当事者にならないのだ。高邁な政治的な主張は言うものの、何だかんだと言っては政策を実施する当事者として矢面に立たず、裏方に回ろうとする。そんな小沢サンに政策を語らせて、本来の政治家の本業をさせること自体に無理があるのだ。そして、本人も己の限界を知っている。小沢サンの「政治的主張」にリアリティが無いことを、超リアリストな本人がいちばん良く知っているからだ。すなわち、最初から自分の主張が、その通りに実現するわけないと思っているのだ。

だからこそ、矢面に立たされそうになると「主張通りにならない」と逆ギレしたように装い、党を壊して再編しようと動く。これを延々と繰り返すのが、小沢サンの政治屋稼業の本質である。

小沢サンは、民主党執行部の慰留に揺れているのではない。揺れるとすれば、それは自分自身の当事者意識と当事者能力の限界に対する葛藤だ。だが、実は直面している国会運営で道筋をつけるために、福田サンと競演した大芝居に過ぎないと思う。ねじれ国会がこのまま空転し続けたときに、日本がどれほどのダメージを被るかという恐ろしさと党利の狭間に震え、これらの両立を狙って芝居を打つしか無かったのだ。そういう意味で、小沢サンには国政に対する責任感があったと受け止める。

慰留を受けて翻意し代表に留まり自民党との政策協議に入れば、この茶番劇の一幕が終わる。

何しろ、小沢サンは「超」リアリストなのだ。


<小沢代表辞意>すがる執行部 揺れる小沢氏 [ 11月06日 02時05分 ]

 小沢一郎代表の辞意表明で激震に見舞われた民主党で5日、あくまで慰留にこだわる執行部と、軟化の兆しをみせる小沢氏の間で妥協を探る動きが続いた。「政権担当能力がない」と党首から批判されながら、党の分裂回避に向け小沢氏懐柔に走る執行部。一方、連立協議への参加に必ずしもこだわらない姿勢を示したという小沢氏。展開次第では「自作自演」(民主党議員)とすら言われかねない有権者不在の迷走劇に、党内の混乱は拡大する一方だ。【須藤孝、田中成之】 
 ◆「壊し屋」の離党恐れ
 「小沢(一郎)代表をなんとか慰留したい。役員会の皆さんも了解していただきたい」――。5日の役員会。鳩山由紀夫幹事長が切り出すと菅直人代表代行が「選挙も(小沢氏のもとで)がんばらないといけない」と加勢した。「一回辞めたと言ったのに戻ることを国民にどう説明するのか」との意見も出たが、慰留で一致した。5日夜、東京都内であった菅氏のグループの会合でも、菅氏が「みんなで応援すればやってくれる」と発言。小沢氏を慰留することで一致した。
 4日の記者会見で民主党を「政権担当能力が本当にあるのか、あらゆる面でまだ今一歩」と酷評した小沢氏に、執行部がかくもしがみつくのは、「壊し屋」という定評がある小沢氏が引き起こす混乱を恐れたためだ。
 党内ではすでに「小沢離党」による党分裂を想定した「参院から9人」「もしかしたら20人」との憶測が飛び交う。小沢氏が記者会見で民主党を激しく批判したことも「離党する布石」とも受け取られている。
 若手衆院議員は「小沢さんは今、離党する大義名分を探しているのではないか。こちらは慰留に努めて大義名分を与えないようにすれば、自然に静まるのではないか」と期待する。
 小沢氏が辞任した場合の後継代表問題が単純でないことも影響している。岡田克也元代表らの名が出ているが「選挙の顔」として小沢氏に匹敵するか不安がつきまとう。特に菅、鳩山両氏は「トロイカ体制」を組んできた小沢氏と連携してきただけに、小沢氏が代表を去れば立場は厳しい。菅氏が暫定的に代表職を代行する案も党内にはあるが、新テロ対策特別措置法案の処理問題を控える今国会を党首不在で乗り切れるかは疑問視されている。
 小沢氏は新進党党首だった97年末に自ら新進党を解党に導いた。菅氏は以前から周囲に「民主党で一番怖い政治家は『小沢一郎』だ。しかし代表に据えておけば飛び出さない」と小沢氏の封じ込め戦略を語っていた。そのためにも代表に「縛り付けておく」必要があるという考えだ。党幹部は5日夜、小沢氏の慰留を確認する両院議員総会も検討する考えも示した。
 ◆「連立」主張から軟化
 5日午前、菅直人代表代行と会談した小沢一郎代表は「自分は連立にこだわったわけではない」と述べ、4日の記者会見で「あえて政権の一翼を担う」とした主張をトーンダウンした。連立への入り口としてこだわった「政策協議」にも触れなかったという。
 連立政権の意義を強調した4日の辞意会見とは裏腹に、この日は軟化のシグナルを示した小沢氏。自ら「不信任に等しい」と不満を示した役員会が一致して慰留を求め、小沢氏と距離を置く前原誠司前代表や岡田克也元代表らが参加する副代表会議でも同じ結論になり、最低限のメンツは立った。「心の整理」を理由に辞意撤回の要請を保留したことも「党の9割が慰留する形」(小沢氏に近い党幹部)を作り、党内に「待望論」を作ることで、大連立構想で強い反発を受けた失態を取り返す狙いとの見方が広がっている。安全保障などで自民との政策協議を開始すれば、事実上の連立協議に発展する可能性もある。
 ただ、小沢氏と距離を置く党幹部は5日「小沢さんは頭に血が上っていたが、落ち着いて状況が分かってきたんだろう」と分析する。
 執行部は小沢氏離党による党分裂を極端に警戒するが、自民党など与党には、むしろ冷ややかな空気が漂う。参院の現有勢力では自公両党の与党勢力は105議席で、過半数の122議席を確保するためにはあと17議席が必要。国民新党や新党日本と統一会派を組む民主党会派は119議席だが、小沢氏が離党したとしてカギとなる参院で小沢氏と行動を共にする参院議員は「10人を切る」という見方が大勢で、17人以上引き抜けるとの見方は少ない。大連立構想のパートナーの福田康夫首相も「今までの話は一応終わった」と突き放した。
 2大政党の党首という、またとない機会を失えば、再び政権に挑戦する機会が来るとは限らない。今回の大連立による「政権乗り込み」構想も、民主党の力を背景にして初めて可能な構想だ。
 とはいえ、あそこまで公言した辞意を撤回することは、小沢氏にとってもハードルは高い。このため、仮に翻意する場合はなお日数が必要との見方もある。
 ◆中堅・若手に動揺
 「このまま留任したら、茶番だ。世論の理解を得られない」
 大連立構想を役員会で否定され、辞意表明までした小沢一郎代表を慰留しようと奔走する党幹部を横目に中堅・若手議員からはこんな声が噴き出し始めている。中堅議員の一人は「辞めるといった人に、辞めないでとすがりついたら、個人崇拝のあやしい党だと思われても仕方ない」と嘆いた。執行部の慰留工作を洞窟(どうくつ)に隠れた天照大神を呼び戻す日本神話「天の岩戸」にたとえる議員までおり、混迷の度合いは深まっている。
 小沢氏が4日の記者会見で「力量不足」「次期衆院選勝利は大変厳しい」とこきおろしたことも反発を招いている。5日の左派系グループ「リベラルの会」では「自分の党を『力量不足』と言った代表にはついていけない。慰留して戻ってもらっても困る」との意見が出た。小沢氏支持の多い旧民社系グループでも「我々には『水面下の交渉はだめだ』と言っておきながら、自分は究極の水面下(の交渉)をやった」などの批判が相次いだ。
 執行部は小沢氏の慰留に躍起だが、菅直人代表代行や鳩山由紀夫幹事長らの真剣な姿が映されるたび、中堅・若手議員らは「支持者から、他に人材がいないのかと思われ、党のマイナスイメージが広がる。地元の有権者にも説明のしようがない」と気をもんでいる。


鳩山氏が再度続投を要請 小沢氏、辞意撤回の見方も [ 11月06日 19時37分 ] 共同通信

 民主党は6日、党本部で当選回数別に所属国会議員の懇談会を開き、辞任表明した小沢一郎代表について、自民党との連立はしないとの事実上の条件付きで慰留する方針を確認した。鳩山由紀夫幹事長らが同日夜に小沢氏と会い、党内情勢を伝え、あらためて辞任撤回を要請した。小沢氏が諾否を回答するかは流動的だが、最終的には要請を受け入れるとの見方も出ている。


国連決議条件に給油活動 民主党がアフガン支援対案 [ 11月06日 20時20分 ] 共同通信

 民主党は6日、インド洋での海上自衛隊の給油活動に代わる対アフガニスタン支援策の骨子をまとめた。給油も含めたインド洋での海上阻止活動に関し、国連決議に基づく国連の活動であれば参加を検討。国連改革として「国連緊急平和部隊」設立に日本が主導的役割を果たすことも盛り込んだ。給油活動参加に含みを持たせたことで、政府与党との歩み寄りの可能性も出てきた。


連立「望ましくない」56% 過半数が民主党の拒否を評価 [ 11月06日 17時32分 ] 共同通信

 福田首相と民主党の小沢代表の党首会談で「大連立構想」が持ち上がったことなどに関し、共同通信が5、6両日に緊急全国電話世論調査を実施した結果、連立政権構想について、「望ましくない」が56・4%を占め、「望ましい」の25・8%を大きく上回った。民主党が連立提案を拒否したことに関して「受け入れなくてよかった」が55・9%と半数を超え、世論は連立構想に否定的なことが明らかになった。

by darkmind628 | 2007-11-06 20:58  

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